よくある質問

労働問題関連

Q1:労働契約(雇用契約)の期間に決まりはありますか?

A1:労働契約は、期間の定めのない契約(正社員等)を除いて、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年を超える期間について締結してはならないとされています。ただし、次の場合5年の上限となります。①高度の専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約 ②満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約

Q2:労働契約(雇用契約)は相手に何を伝えればいいのですか?

A2:労働契約の締結に際し、次の労働条件は明示しなければならないとされています。これを「絶対的明示事項」といいます。①労働契約の期間 ②期間を定める場合更新する場合の基準 ③就業の場所及び従事する業務 ④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換 ⑤賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切日及び支払の時期並びに昇給 ⑥退職(解雇の事由含む) その他に決まりがあれば伝えなければならない「相対的明示事項」というものがありますので一度お話をお聞かせください。

Q3:労働者を解雇してはいけない期間とかあるのでしょうか?

A3:解雇はとてもデリケートな問題ですので、労使間で話し合い納得の上で行うことが後々の問題を防ぐことになります。法的に問題ないという視点で安易に行うことはできれば避けていただきたいです。ご質問の期間は、①業務上の負傷・疾病療養休業期間 ②産前産後の休業期間 + その後30日間は解雇してはならないとされています。ただし、上記の期間中であっても休業していなければ解雇制限の規定は適用されないとされています。この問題は「解雇制限の解除」「解雇予告」「解雇予告の除外」などがありますので一度お話をお聞かせください。

Q4:給与を従業員に支払う際のルールがあると聞きました。教えてください。

A4:賃金(給与)を支払う際、以下の5つのルールに則って支払いを行います。これを「賃金支払の5原則」といいます。①通貨払の原則(労働者の同意により例外あり) ②直接払いの原則 ③全額払の原則 ④毎月1回払の原則 ⑤一定期日払の原則 例えば、②のルールですと、たとえ労働者の代理人、賃金債権の譲渡人等が会社に本人への給与支払の差止を請求してきたとしても、直接労働者本人に支払います。その他例外等ございますのでお話を聞かせください。

Q5:法定労働時間について教えてください。

A5:1日の法定労働時間は8時間です。1週間の法定労働時間は40時間となります。例外として、常時10人未満の労働者を使用する次の事業は1週間の法定労働時間は44時間となります。①商業 ②映画演劇業(映画の製作の事業は除く) ③保健衛生業 ④接客娯楽業

Q6:休憩時間はどんな場合でも1時間与えなければならないのですか?

A6:労働時間が6時間以下の場合「休憩時間はなくても問題ありません」。6時間を超えて8時間以下の場合「少なくとも45分」、8時間を超える場合「少なくとも1時間」与える必要があります。労働時間が8時間を超える場合、その超える時間が何時間であっても、1時間の休憩を与えていれば法違反とはなりませんが、休憩が少ない長時間労働は業務効率も下がりミスも誘発されますので改善が必要となります。

Q7:残業代の割増率について教えてください。

A7:時間外労働60時間以内「2割5分以上」 時間外労働60時間超「超える部分⇒5割以上」 休日労働「3割5分以上」 深夜業(午後10時~午前5時)「2割5分以上」となります。補足として時間外労働+深夜業の場合は「2割5分+2割5分=5割以上」の割増率となりますので注意が必要です。

Q8:残業代の計算は、交通費を含んだ給与額から計算しますか?

A8:割増賃金の基礎となる賃金には、以下のものは算入しません。①家族手当 ②通勤手当 ③別居手当 ④子女教育手当 ⑤住宅手当 ⑥臨時に支払われた賃金 ⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金 逆をいえば、これ以外の賃金は割増賃金の計算の基礎に入れる必要があります。また、名称がそうであっても算入しなければならない例外もありますので、未払賃金問題とならないためにも一度お話をお聞かせください。

Q9:年次有給休暇中の賃金は何を基準に支払えばいいのでしょうか?

A9:年次有給休暇中の賃金の支払い方法は以下となります。①平均賃金(就業規則等に記載) ②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金(就業規則等に記載) ③健康保険法に規定する標準報酬月額の30分の1相当額(労使協定(届け出不要)、就業規則に記載)のどれかになります。まず自社の就業規則等にどの支払方法が規程されているか確認してみましょう。もし就業規則等に規定されていない場合は再度ご相談ください。

Q10:年次有給休暇管理簿の作成・保存が義務付けられたと聞きましたが、具体的に何を管理すればいいのでしょうか?

A10:年次有給休暇を与えた場合、労働者ごとに「年次有給休暇を与えた時季」「日数」「基準日」を明らかにした書類を作成し、当該期間満了後3年間保存する必要があります。管理簿のひな形は当事務所にございますのでご参考にしてみてください。

労働安全衛生関連

Q1:社員が通常の健康診断を受診している時間は無給でいいとネットには書いてありましたが、問題ありませんか?

A1:はい。一般健康診断の受診のために要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではありませんが、従業員の健康の確保は事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいです。因みに、特殊健康診断の場合はその健康診断の時間は労働時間にあたるので、賃金の支払い義務が生じます。

Q2:健康診断で再検査の社員がいます、会社が負担して再検査をさせるべきでしょうか?

A2:再検査や精密検査は、診断の確定や症状の程度を明らかにするものであり、一律には事業者にその実施が義務付けられるものではありませんが、会社には安全配慮義務がありますので、従業員には再検査や精密検査を推奨してあげ、症状について情報を共有しておくことも大切です。ただプライベートな問題や性別的な問題もありますのであくまで任意に留めたほうがいと思われます。業種によっては再検査や精密検査を会社負担ですることも必要かもしれません(運転手など)。特殊健康診断については、その実施が事業者に義務付けられています。

Q3:健康診断はどのようなタイミングでおこなえばいいのでしょうか?

A3:社員を雇い入れるときに健康診断を行います。これを「雇入れ時の健康診断」といいます。また、1年以内ごとに1回定期的に健康診断を行います。これを「定期健康診断」といいます。その他に、特殊業務に常時従事する労働者に対する「特殊健康診断」などもあり、業種、業態、働き方等で健診の回数や、期間に違いがありますので、一度お話をお聞かせください。

Yoshino Labor and Social Security Attorney Office